戦争と平和と白痴

 新潮文庫の「戦争と平和(一)」をもう少しで読み終わるところである。これは面白い!

 19世紀初頭の帝政ロシアが舞台になっているわけだが、軍の人間関係なんて、現代の会社の中の人間関係と変わりないし、ロシア貴族の親子関係だって、甘やかす親もあれば、厳しくしつける親もあって、現代の親子のあり方とこれまた似たようなもんである。上に立つ人間が格好だけの能無しだったり、上司におべっかを使って昇進しようとしたり。めずらしく常識あるきちんとした親に育てられた常識あるとある貴族の子供たちは、キレイ事だけでは生きていけない現実社会で、すごく損をしそうだし。これは時代を超えて読み継がれているわけだ、と思った。

 あたしは小説を読んでいる時、登場人物への感情移入が激しくて疲れるのだが、今もそんな感じになっている。

 テレビシリーズの「白痴」を2回目まで観た。だんなが何故か気に入っている。1回分が短いため、ちょっと時間が空いた時にささっと観れるので、テレビドラマのDVDシリーズはあたしみたいなテレビ嫌いにはいいかも。

 「白痴」は、2回目にナターシャが出て来て、主要人物が一同に会するシーンが出て来て、いきなり面白くなった。駆け引きが出来ないのに誇りを失わない公爵の言動を観ているとハラハラするよ。

 ロシア語は、単語がところどころ聞き取れて楽しい。一度だけ、「何を知っているのか?」という台詞を文章で聞き取れたので嬉しかった。このDVD、ロシア語字幕がついていればよかったんだけど。

戦争と平和(一) (新潮文庫)

戦争と平和(一) (新潮文庫)